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アラサー既婚・子なし女の雑記

兄妹そろってニートだった頃と、ニートを抜け出すまでの話【4】脱ニート・社会復帰(兄編)

さて、続いて兄の社会復帰についてです。脱ニートの過程としては結構稀な例かもしれません。

 

ニート・社会復帰(兄編)

 4年間のうつ病期間を乗り越え、兄はアルバイトへ出るようになりました。某リサイクルショップの店員です。兄の好きな分野の商品を扱っていることもあり、数ヶ月間かなり順調に勤務していました。

 

 が、ある日突然アルバイトを辞めたのです。会話のない兄妹なので一体どうしたのだろうと心配になった私でしたが、経緯は聞けず...。それからまた兄は自室に籠るようになったのです。そしてひたすらパソコンをいじる毎日。また、調子が悪くなったのだろうか、本当はアルバイトをかなり無理していたのだろうか、そんなことを思って数ヶ月。父から、驚きの報告がありました。

 

 お兄ちゃん、正社員として働くことになった。

 

 正直びっくりしました。まさか兄が正社員になるなんて、私の頭の中にはそんな選択肢がなかったのです。(失礼な妹ですね。)兄がアルバイトを辞めて、ひたすらパソコンをいじる毎日を送っていたのは就職のためだったのです。うつ病により泣く泣く大学院を中退し、その後も苦しんだ兄ですが、体調が回復すると同時に、自分の好きな分野をとことん極める性格の兄はとある資格を取得、そして実力で正社員の仕事を得たのです。社会経験はアルバイトだけ。その時兄は30歳でした。つまり、職歴なしの30歳が正社員の仕事に就いたのです。それから数年経った今も働いています。給料も悪くないし、結婚もしました。好きな分野の仕事なので今後もこのまま順調に働ければいいかなと思います。うつ病って再発が心配だなというのも正直なところですが。

 

私たちニート兄妹は恵まれていた

 兄妹そろってニートでした。母が亡くなってからは家族関係が徐々に崩れ始め、どう修復したらいいのかもわかりませんでした。暗くて気まずい空気の流れる家庭でした。今も正直温かい家族とは言い難いです。ただ、家族としての形が少しずつ戻ってきました。父親が私たちを見守りつつ家族関係を諦めなかったこと、時には犬を飼ってきて生活に変化をもたらしてくれたこと、そして経済的に困ることがなかったこと。父が安定的な環境を維持し続け、そして私たちに過干渉になることも、突き放すこともせず適度な距離感で関わってくれたことで、少しずつ変われたように思います。このおかげで私たちは心も体もゆっくりと回復させることができました。

 

社会復帰をした時に感じたこと

 社会復帰してまず思ったことは、社会は、優しいところでもある。ニートをしていた時、私はネット掲示板ばかり見ていました。そしてネガティブな情報ばかりを選択してしまっていたのです。「こんなにブランクが空いたらどこも取ってくれるわけないじゃん。」「うんこ製造機、なんで生きてるの?」「社会のゴミ」...そういう言葉を見つけて傷ついていたような気がします。見ないほうがよかったですね。こういう言葉を鵜呑みにしてしまう時点でネットを見るのは向いてなかったですね。そういう厳しいものだと思ってしまって社会がより怖くなって焦ったりさせられてしまいました。でも、そのおかげ?で社会復帰したらなんだか拍子抜けしました。あ、私意外に大丈夫だって思ったのです。最初に選んだ職場が良かったのか、世の中、優しい人ってたくさんいるなって思いました。

 

 最近、とあるビジネス雑誌で、「コミュニケーション能力はないけれど、仕事ができる天才社員」というような特集を見かけました。人との接触は苦手だけれど、独自のやり方で成果を出している人たちがいるようです。それも、営業とかの職種で、です。今の社会、コミュ力がとても大事にされている風潮がありますが、(というか実際あったほうがいいでしょうが)コミュ力がなくても意外と受け皿ってあるんだなと知りました。ニートになるような人って結構コミュ力に自信がなかったり、コンプレックスに思っている人が多いのではないでしょうか。私の兄も寡黙で決して人付き合い上手な方ではないのですが、そういう人のための受け皿にきっちりはまった感じです。これから、そんな多様なタイプの人材を受け入れられるような企業がもっと増えて、コミュニケーション能力に自信がない人でも選べる職種が広がるようになるといいですね。

 

 最後はただ最近読んだ本の感想になりましたが、これで兄妹ニートだった頃の話は終わりです。