ネコになりたい

アラサー女の思いごと、いろいろ

自死で母を亡くした私が思う「母の日」について

母が自死で亡くなり10年以上が経った。正直言うと、ここまでくると母のいない生活が普通だし、母のことを思い出さない日はないなんてこともない。普通に思い出さない日だってある。

 

ただ、この時期は毎年否応なしに思い出されてしまう。「母の日」に関する情報があらゆるところから入ってくるからだ。きっともうすぐ、いろんなお店に母の日に関する商品が並ぶだろう。あんまり見たくはない。世の中の、母の日に対する雰囲気が明るすぎて正直辛いからだ。こんな微妙な気持ちにさせられる時期だから早く過ぎてくれー、と毎年心の中で思っている。母が亡くなって以来、私にとって「母の日」というのは母という対象がない虚無感をつきつけるもの、自死で亡くなったという事実を改めて思い出させるもの。だから、嫌いな日だ。

 

それが最近、ふと目に入った株式会社日本香堂「母の日参り」のTVCMを見て、そして「母の日」について調べ、少し考え方が変わった。

 

youtu.be

 

「母の日参り」
この言葉、私はこのTVCMで初めて知ったけど、以前からあったのかな?今まで母の日に関することはなるべく避けてきたので、この日にお参りをするなんていう発想がなくて、私の中では新鮮な概念だと思った。

 

「大人にも母が恋しいときがある。」
ほんとだよ。母が生きていたらって何度思ったことか。こんなこと今まで誰にも言ったことなかったけど、今素直に言ってみた。

 

私はこのCMを見て、母が亡くなったことを否定的に捉えるのではく、そのまま受け入れて、そして素直に恋しいと思えばいいのだよ、と言われているような気がしたのだ。カウンセリングみたいなCMだと思った。

 

そして、これを見たあと気になって母の日について調べてみた。母の日の起源は世界各地で諸説あるようだけど、アメリカでは、とある娘が亡くなった母のことを偲び敬う意味で母の日が始まったという説があることを知った。亡くなった方はボランティア団体を組織し、南北戦争中を含め積極的に医療補助の活動を行なっていたそうだ。その方の命日が5月9日(第2日曜日)なのだそう。

 

母の日に感謝を伝えたり、何かをプレゼントする対象がいない。私には母がいない。だから寂しい。そう思って、私は母の日を嫌っていた。でも嫌う必要などないのだと知った。暗くなる必要もないのだと知った。今この世に母が存在していなくても、その理由が自死という形で亡くなったからだとしても、私にはそんな母を敬い感謝したい気持ちがある。私にとっての「母の日」はそんな気持ちを持っていることを思い出すこと、それだけでいいじゃないか。母がいないことに目を向けてしまえば虚しくなるけど、感謝したいと思わせてくれる母が過去に存在していたという事実は、幸せなことかもしれない。そう考えたら少し心が軽くなった。もちろんそれだけで母に対する複雑な感情が消えるわけではないのだけど。

 

じゃあ近々母のお墓参りに行こう!と思って気軽に行ける距離には住んでいないので、実際に「母の日参り」はしないと思う。ということで、日本香堂さん、残念ながら私は母の日参りのための商品は購入しません。でも、私にとってネガティブだった母の日のイメージを変えるようなCMを作っていただいてありがとうございます。